コンペティション部門 上映作品
時代の一歩先を見据えて制作された作品を選ぶ「小布施賞」。
そして、映画祭の舞台となる小布施町の住民や、映画を愛してやまない人びとが集い、心に響く優れた作品を選ぶ「一般審査員賞」。
コンペティション部門では、それぞれの視点から厳選された合計9作品を上映。以下が上映作品(ノミネート作品)の概要となります。
- コシナ賞ノミネート作品
3/9(土)11:00-13:00

- 監督:田中晴菜
- 上映時間:30分
仏師として立ち行かず、見世物小屋の生人形制作で糊口をしのぐ亀八。興行で立ち寄った土地の名士から、不治の病におかされた娘を、美しいまま写した人形制作を依頼される。

- 監督:清水健斗
- 上映時間:29分52秒
東日本大震災で親友の恭子を亡くした園美。
ある日、学生時に恭子と埋めたタイムカプセルが見つかる。中には『将来のお互い』宛の手紙が入っていた…。
震災で亡くなった大切な人へ届けたい想いを綴った手紙が届く【漂流ポスト】で起きた真実の物語。

- 監督:矢野数馬
- 上映時間:14分
布からデザインして服をつくる。その想いをつなぐ日本のモノヅクリと、手と心によりつむがれるモノガタリを、超高精細 8K 映像で撮影、HDR カラーグレーディングで仕上げました。
モノに込めた想いを美しく描いた、映像叙事詩です。
- 小布施賞ノミネート作品
3/9(土)14:30-16:30

- 監督:大石結介
- 上映時間:15分
火葬場から帰って来た父と息子。父が作ったおにぎりは、形も丸く、大きいものばかり。息子はおにぎりの味に違和感を覚えるが、両親の想いを知った息子は1つ目を食べ終えた後、2つ目のおにぎりに手を伸ばす―。

- 監督:三宅美奈子
- 上映時間:25分8秒
新宿の居酒屋で働く耕太郎の元に、孫娘のくるみが宮城から突然やってくる。さらに一緒に住みたいと言い出すのだが…。

- 監督:太田真博
- 上映時間:24分50秒
親友という言葉はとても厄介です。
「自分にとってたった一人の親友には、五人も親友がいる」
例えばこの文から滲み出る恥ずかしさのようなものを、映画にしたかったんです。
- 一般審査員賞ノミネート作品
3/10(日)13:30-15:30

- 監督:常間地裕
- 上映時間:20分
小さな港町で暮らす大吾(18)と、大翔(18)の2人。友達である2人にとっての何気ない日常が、これからの2人にとって特別な1日 へと変わっていく。大人と子供、その間で揺れながら生きる2人の物語。
※なお、この作品は小布施賞のノミネート作品にも選出されています。

- 監督:長岡マイル
- 上映時間:30分
移住者が次々の集う町として一躍全国的に有名になった徳島県神山町にあって、老美容師のさっちゃんはある孤独を抱えていた。
この映画は、そのさっちゃんと、神山の変化を見守ってきた6年間の記録である。札幌国際短編映画祭にて最優秀ドキュメンタリー賞受賞。

- 監督:串田壮史
- 上映時間:10分
台詞なし、音楽なし。人間の普遍性に関する短編映画。
孤独な男は、彼のアパートの壁に現れる影に魅了されていく…。
国内外70以上の映画祭で上映されており、20の受賞を重ねている。
特別上映企画 外山文治監督特集
3/10(日)10:00-12:00
映画『此の岸のこと』で「モナコ国際映画祭2011」短編部門・最優秀作品賞など 5 冠を達成し、世界から注目を集める外山監督。作品制作における視点を直接本人に伺いながら、3つの代表作品を上映する豪華な特別上映会です。
櫻の花が咲く季節、ひとりの老いた女性が警察に保護された。
身元不明のその女性には、どうしても行きたい場所があるという。
「ソメイヨシノは60年咲くことができない——?」
そんな噂の真偽を確かめるべく、老人ホームを抜け出してきた女性と、
彼女を案内することになってしまった青年。
これは春の日に永遠とは何かを問う、ささやかなお話。
心の病を抱えた父を守るため実家の寿司屋「やま乃」を継ごうと決めた女子高生・山野葵と、その決断に戸惑い反対しながらも、彼女の人生を本気で背負おうとしない離婚した母・房子や周囲の大人達。
そんな葵の前に現れた、彼女がかつて所属していた少年野球チーム「高山メッツ」の監督・梅田庄吉。
粉雪が舞う静かな夜、葵は庄吉に野球の勝負を求める。ある事情で小指のない庄吉の投げるボールの軌道を、葵は子供の頃から「魔法」だと信じていた。
この逆境の日々の中で、せめて魔法のような力を信じたい・・・老いた庄吉との真剣勝負は、葵に人生の苦みと哀しみ、そして新しい希望を与えるのであった。
夫は長年に渡る妻への介護生活の果てに自らの体を患い、妻よりも命の燈火が少ない事を知った。
頼る宛てもなく、世間との交流も蓄えも持たない夫は、ひとり出口を失っていく。
老老介護の現実は厳しく、次第に生きる力を枯渇させていく夫。
彼が最後に求めたのは、部屋に飾られた一枚の旅行写真。
かつて森の湖畔で撮影したスナップ写真に象徴される妻と自分の笑顔だった。
外山文治(そとやま・ぶんじ)
映画監督